最少手数競技
- ルービックキューブをどれだけ少ない手数で揃えられるか
- 1時間の制限時間で考えて、手順を紙に書いて提出する。
- アジア大会入賞時(2014年)の記録は31手
- 今の世界記録は16手
【オープニング】
スムーズに挨拶し、自己紹介へ繋げる。
【本日のゴール】
「スクラムマスターがつかえるAI活用」が今日のテーマであることを強く打ち出す。
(コーディングしないスクラムマスターはどうAIを使うのか?という課題提起)
【自己紹介パート】
アイスブレイクとして、テンポよく自己紹介を進める。
豆蔵の社内では新卒社員、中途社員向けのアジャイルに関する研修を担当しており私のことを知っている人もいるかもしれないが、社外の方も含めてスクラムに関する発表は今回が初めて。
講演タイトルを見て申し込んでくださった方々は間違いなく「こいつ誰やねん」と思っていると思うので、少し丁寧にこれまでの職務経歴やパーソナルな部分の話をしたい。
前職でスクラムに出会い、本格的にその道に進みたいと決意し、豆蔵に入社した経緯を軽く触れる。
新卒で独立系SIerに入った。金融システムという厳密なウォーターフォール開発の現場で、最初の2・3年はコーディングや単体テスト、エクセルにひたすらスクリーンショットを貼るテスターといった、ウォーターフォールの下流工程を経験した。
小売業での社内SEでは、ユーザー側として基幹システムの運用保守を行う中で業務委託の協力会社への発注、開発依頼といった業務を経験した。
その中で基幹システムの刷新プロジェクトが立ち上がり、スクラムマスターという職種を知り、本格的にその道に進みたいと決意し、豆蔵に入社した。
ガチガチのウォーターフォール開発、ユーザー側としての経験を持ってスクラムマスターをしているというのが強み。
【アイスブレイク】
ルービックキューブとメガミンクスの話をサラッとする。興味を惹きつつ、時間をかけすぎないように注意。
「実は世界記録(アジア入賞)持ってます」とサラッと笑いを取るスピード感で。
ルービックキューブの最少手数競技について。
アジア大会で入賞したのは12年前で、当時は31手で日本でのトップレベルだった。
現在は劇的に理論や技術が進化しており、世界記録は16手まで縮まっている。
メガミンクスの世界記録(シニア)の話。ここもテンポ良く進める。
記録には単発記録と平均記録というのがあり、平均記録で世界記録を持っている。最近まで単発記録も持っていたが、この韓国人についこの前抜かれてしまった。
【本題への接続】
「コーディングしないスクラムマスターはどうAIを使うのか?これから実践例に入ります」と言って、次の第1部へスムーズに繋げる。
【第1部:AI時代のスクラム】
スクラムガイド拡張パックについての前提知識を共有する。
ここには時間をかけすぎず、早めに本題の実践編(第2部以降)へ進むことを意識する。
2025年6月に公開された「スクラムガイド拡張パック」を紹介する。
スクラムガイドの作成者の一人であるJeff Sutherlandも、本拡張パックの策定に関わっている。
スクラムガイド自体の最新版は2020年のものであり、スクラムの核となる価値観は変わらないものの、周辺の開発手法などは大きく変化している。
また、本拡張パックは従来のスクラムガイドのようにPDF等で配布される形式ではなく、GitHub上で常に議論が行われ、継続的にアップデートされる仕組みになっている。
そのような背景の中で、AIが公式に「スクラムを強化する要素」として認められた点を強調する。
拡張パックで定義されている4つの強化領域について、軽く紹介しておく。
本日は、これら4つの強化領域のうち「経験的プロセス制御(透明性・検査・適応)」の実践事例に絞って話すことを宣言し、スコープを明確にする。
【第2部:透明性の強化】
今日のメインパート①。一番時間をかけて話す。
Four Keysと着地予測の可視化の実践事例。
透明性がないと、検査も適応も意味をなさないという原則を確認。
【透明性の本質】
単なる数値化ではなく、「見えない不安を事実ベースの議論に変えること」だと強調する。
現場のニーズに合った可視化はJiraの標準機能では難しく、かといってSMがゼロからツールを作るのは技術的ハードルが高いというジレンマを提示。
「でもツールを作るのは大変…そこでAIを『専属エンジニア』にする」
SMとしての機動力を劇的に高められる点をアピール。
Four Keysの基本概念を簡単におさらい。
スピード(デプロイ頻度、LT)と安定性(変更障害率、復旧時間)。
「リリースが重い」「バグが多い気がする」といった「体感的な不満」を、「事実」ベースにする必要があった背景を説明。
散在するデータを集めるGASのコードをAIに書かせるというアプローチを紹介。
Jiraのデータとスプレッドシートのデータを、AIが書いたGASで連携するプロセス。
※画面上の図が見えにくい可能性があるので、図が示す「意味・結果」を口頭でしっかり補足する。
漠然とした「体感的な不満」が「データ(事実)」になったことで、誰もが納得のいくデータ駆動での意思決定(適応)を自律的にできるようになった効果を強調。
リリース日固定の必達案件で、ペースアップを図った際の話。
「本当に間に合うのか?」という漠然とした不安が広がっていた。
「頑張っているという体感」ではステークホルダーへの説明もできず、チームの安心感も得られない。データで示す着地予測が必要だった。
Jira APIから日々の消化ポイントを取得し、AIを活用して推移と予測完了日を可視化する仕組み。
※推移プロットの図が見えにくい可能性があるので、予測完了日がひと目で分かることの価値を口頭で補足する。
「データに基づく見通し」がもたらした安心感について語る。
ステークホルダーとのスコープ交渉もスムーズになり、チームが目の前のタスクに集中できるようになった。
【SMがツールを作る意味】
本来はチームがやるべきだが、透明性がない初期段階では動けない。「だからこそSMが自ら最初期に機動力を発揮し、改善の火種を作る」と力強く伝える。
ツールを作ること自体ではなく、「チームに事実という出発点を与えたこと」が価値。
それによりチームを自律的で正しい適応へと導ける。
【第3部:検査・適応の強化】
今日のメインパート②。
AIによるレトロスペクティブの定量採点。
問題や伸びしろに気づき、最速で適応することがスクラムの生命線であることを確認。
【現場の障壁】
「とはいえ、長く同じメンツでやっているとマンネリや遠慮が生まれますよね?」と聴衆に共感を求める。
慣れや忖度が検査を阻害する。
文字起こしデータをAIに入れ、100点満点で採点させ、改善点を提案させるフローを紹介。
マンネリ化やしがらみによる遠慮を打破するには、感情を持たないAIという仮想コーチによる「忖度のない検査」が必要だったことを説明。
10項目の基準(各10点)を軽く見せる。
「これが毎回スコア化されると、嫌でも改善ポイントに気づく」と語る。
次回のレトロ冒頭でAIスコアと提案を共有し、外部視点を入れることで人間同士の摩擦を避けつつ建設的な議論が可能になる効果を説明。
【適応の実例】
AIからポジティブさの欠如などを指摘されたことで、サンクスカードや5W1Hの徹底など、チームがどう自律的に変わったかを説明。悪い慣れにいち早く気づけるようになった。
デイリースクラムの文字起こし評価のアイデアを紹介。毎日のイベントだからこそ、外部視点での検査と適応の繰り返しが大きな効果を生むと期待。
【まとめ:AI時代のスクラムマスター】
これまでの内容を総括し、スクラムマスターの役割を再定義する。
開発者がコードを書かなくなるパラダイムシフト。
「いかにコードを書くか」から「プロダクトにどう責任を持つか」への変化を強調する。
当然スクラムマスターも自らのあり方を問われている。
本質的な課題は「ツールをどう使うか」以上に「人間としてどう振る舞うか」である。
【最大のメッセージ】
「The Scrum Master must be human.」
万能なAIがいるからこそ、人間関係の調整や文化醸成といった「人間としての振る舞い」が試されていることを熱量を持って伝える。
AIは強力なパートナー。データ分析などはAIに任せ、人間は本質的な課題解決に注力する。
まさにこれが、スクラムガイド拡張パックの言う『認知的拡張』であるとしめる。
【ゴールの回収】
冒頭で約束した3本柱(事実という出発点、自律的な改善サイクル、人間にしかできない役割)を改めて振り返る。
【エピローグ:ボーナストラック】
「さて、時間があるので少しおまけを」とリラックスした雰囲気にトーンダウンする。
このプレゼン自体が「仕様駆動開発(SDD)」とAIエージェントで作られているという、メタな構造を種明かしする。
今回使った、Spec KitやGoogle AntigravityなどのAI関連ツールを紹介。
設計からデプロイまでの完全自動化フロー。
人間は設計書(要件)を書き、AIに役割を分担させている。
Spec, Plan, Tasksなど、AIに与える情報を役割ごとに分割管理していることを説明。
人間は「何を伝えるか」に集中し、「どう描画するか」はAIに完全に任せられるというメリットを伝える。
WordPressからNuxtへの移行事例。
AIを活用することで大規模な作り直しを短時間で終えられた話。
誰でもアプリが作れる時代だからこそ、「仕様駆動開発などで、責任あるプロダクトを作れるか」が今後の価値になる。
改めて「責任」というキーワードで締める。
これで本編終了!質疑応答へ。
この間にショートカットで過去のスライドを行き来する。