この30分で「できるようになること」

  1. スクラムの目的と3本柱・5価値観を自分の言葉で説明できる
  2. ロール・イベント・アーティファクトの名前と役割を把握している
  3. 2週間スプリントの流れをイメージできる
  4. チームの中で自分がどう動けばよいか分かる

アジェンダ

  1. なぜスクラムが必要か
  2. スクラムの土台(3本柱・価値観)
  3. スクラムの構成要素
  4. スプリントの流れ
  5. まとめ

第1章

なぜスクラムが必要か

計画通りに進まない現実

理想(ウォーターフォール)

要件定義 → 設計 → 実装 → テスト → リリース

現実

途中で仕様変更・要件追加が発生し、手戻りコストが膨大になる

「変化に適応できるソフトウェアを、継続的に届ける」

アジャイルソフトウェア開発宣言(2001年)の核心

スクラムはアジャイルを実践するフレームワーク

アジャイルは「考え方」、スクラムは「実践の枠組み」

第2章

スクラムの土台

スクラムを支える3本柱

  • 透明性 (Transparency)
    作業の状況・障害をチーム全員が見える状態に保つ
  • 検査 (Inspection)
    スプリントごとに進捗・成果物を確認する
  • 適応 (Adaptation)
    検査の結果を基に計画やプロセスを見直す

スクラムチームの5つの価値観

  • 確約 (Commitment) ゴールに向けて全力を尽くす
  • 勇気 (Courage) 困難な問題に向き合い、正しいことをする
  • 集中 (Focus) スプリントゴールに集中する
  • 公開 (Openness) 作業・課題・懸念をオープンにする
  • 尊重 (Respect) 互いを有能な独立した人間として尊重する

ルールより先に価値観を理解することが、スクラム成功の鍵

スクラムガイド2020 — 「価値観が体現・実践・可視化されると、信頼が醸成される」

第3章

スクラムの構成要素

スクラムは3×3+5で構成される

3ロール・3アーティファクト・5イベントの組み合わせ

プロダクトオーナー — 「何を作るか」に責任を持つ

  • プロダクトバックログを管理し、優先順位を決定する
  • ステークホルダーのニーズをチームに翻訳する
  • プロダクトの価値最大化に最終責任を負う

スクラムマスター — チームを支えるサーバントリーダー

  • スクラムが正しく理解・実践されるよう支援する
  • 障害(impediment)を取り除く
  • 組織がスクラムを理解できるよう働きかける

開発者 — 自律的にインクリメントを届けるチーム

  • スプリントごとに「完成」したインクリメントを作る
  • 「どう作るか」を自分たちで判断する
  • 推奨人数: 10名以下(スクラムガイド2020)

5つのイベントでリズムを刻む

  • スプリント:すべてのイベントを内包するコンテナ(2週間)
  • スプリントプランニング:ゴールと計画を立てる(最大8時間/スプリント)
  • デイリースクラム:毎日15分、進捗を同期する
  • スプリントレビュー:インクリメントをステークホルダーに披露(最大4時間)
  • スプリントレトロスペクティブ:プロセスを振り返り改善する(最大3時間)

3つのアーティファクトで透明性を保つ

  • プロダクトバックログ:プロダクトに必要なことの優先順位付きリスト(POが管理)
  • スプリントバックログ:このスプリントでやることのリスト(開発者が管理)
  • インクリメント:動作する成果物の積み上げ(スプリントごとに追加)

第4章

スプリントの流れ

2週間で1サイクルを回す

計画 → 開発 → レビュー → 振り返り → 次のスプリントへ

デイリースクラム — 毎日15分の同期

  1. スプリントゴールに向けて、昨日できたことは何か?
  2. スプリントゴールに向けて、今日やることは何か?
  3. 障害になっていることはあるか?

毎日同じ時間・同じ場所(オンラインでも)で実施する

まず観察することから始めよう

  • デイリースクラムに参加し、チームのリズムを体感する
  • バックログを読んで、何を作ろうとしているかを理解する
  • 分からないことはスクラムマスターへ

まとめ

数字で覚えるスクラム

  • 3本柱:透明性・検査・適応
  • 5価値観:確約・勇気・集中・公開・尊重
  • 3ロール:プロダクトオーナー・スクラムマスター・開発者
  • 5イベント:スプリント・プランニング・デイリー・レビュー・レトロ
  • 3アーティファクト:プロダクトバックログ・スプリントバックログ・インクリメント
  • スプリント期間:2週間

チームへようこそ

  • 参照資料:スクラムガイド2020(日本語版 無料公開)
  • まずやること:次のデイリースクラムに参加する
  • 困ったら:スクラムマスターへ

一緒にチームを育てていきましょう

話者ノート: 登壇者の自己紹介・所属を口頭で補足する

話者ノート: 「この30分でこれが言えれば完璧です」と一言添える

話者ノート: 「第3章が一番ボリュームあります。ここをしっかり押さえれば後はスムーズです」

話者ノート: 「みなさんも経験あるのでは?」と聴衆に問いかける

話者ノート: 変化を「問題」ではなく「当然のもの」として扱う転換点を強調する

話者ノート: 「アジャイルを実践するやり方はいくつかありますが、今日はスクラムにフォーカスします」

話者ノート: 透明性がなければ検査できず、検査しなければ適応できない。3つはセットで機能する

話者ノート: これはルールではなく姿勢。チームで共有できているかが重要

話者ノート: 細かいルールに縛られてもうまくいかない。なぜそうするかの軸として価値観がある

話者ノート: 「この図を頭に入れておくと、これ以降の説明がつながってきます」

話者ノート: 「POは開発の依頼人ではなく、チームの一員。一緒に価値を作る存在」

話者ノート: 「マネージャーではない。指示するのではなく、チームが自分で動けるよう整える」

話者ノート: 「スクラムでは『チーム全体』で完成させる。誰か一人の仕事ではない」

話者ノート: タイムボックスが重要。各イベントに上限時間があり、それを守ることで規律を保つ

話者ノート: 「各アーティファクトにはコミットメントがある:プロダクトゴール・スプリントゴール・完成の定義」

話者ノート: 「この繰り返しが『検査と適応』の実践。毎スプリントが学習の機会」

話者ノート: 「報告会ではなく計画の更新。SMに報告するのではなく、チームで共有する場」

話者ノート: 「完璧に理解してから参加しようとしなくていい。動きながら学ぶのがスクラムらしい」

話者ノート: 全部覚えなくていい。この数字を手がかりにスクラムガイドを読み返せる

話者ノート: 質疑応答を呼びかける